めまい薬について
最近めまいの患者さんが多い。
正直良性頭位発作性めまいは安静にするしかないと思っているんだけど、患者さんは割と「点滴してほしい。あれは効く」というので、メイロン入れたりする。
メイロン、これはエビデンスあるのかしら?と思ってup to dateで見たらメイロンのメの字もなかった。日本語記事を探すとメイロンの項目があり、
・メイロン:日本独自で使われている。比較試験はないけど、多くの医師が使っており、臨床的には効果あるのだろう。
というようなことが書いてあった。マジか。
その他の薬としては
・セファドール:プラセボと比べてめまい感の改善あり。3T3×でよいが、1回2Tにすると強い抑吐作用がある。
・メリスロン:プラセボと比べてめまい感の改善あり。6T3×使うべき
・アデホス:メリスロンに優位性あるが、300mg/dayくらいの大量に行かないとダメかも。
・イソメニール:メリスロンと同等。
だとか。治療効果判定は2-4週で行い、効果なかったら切り替えを考慮する。併用はあまりエビデンスがない。
ちなみに宇宙飛行士の宇宙酔いにはピレチアという抗ヒスタミンが第一選択らしいです。へえ。
心不全診療覚書
循環器疾患が苦手なので、こういう本を読んでみる。
Dr.大島一太の7日でわかる心不全―急性心不全から慢性心不全までメカニズムと治療の根拠
- 作者: 大島一太
- 出版社/メーカー: 日総研出版
- 発売日: 2012/06
- メディア: 単行本
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以前買って読んだ形跡があるけれど、全然覚えてないので。
今のところ3日目分まで読み終わった。ここで役立ちそうなところをメモ。
・とりあえず肺動脈せつにゅう圧は18mmHg。これ以上で肺うっ血。
・肺動脈圧は30mmHg以上で肺高血圧症。
・心不全で食欲がなくなるのは腸管がむくむからである。
・心不全の胸水は右優位に溜まる。
・BNPは100を超えたところで心不全とする。退院時のBNPはできれば200を切ること。
たぶん一回勉強したことなんだけど、抜けているな。ノーリエの分類とかは覚えてるんだけど。7日目までちゃんと読もう。
ピロリ菌についてまとめてみた
消化器学会サイトのピロリ菌QアンドAはわかりやすいけど長いので、必要なところだけ抜き出してみた。
ピロリ検査の適応:内視鏡検査で所見がある人。6種類の検査のうち、2種類までは測定可能(偽陰性の場合があるため)
除菌の適応:6ヶ月内の内視鏡検査で所見があり、その後ピロリ感染が確認された場合(同日でもOK)。内視鏡検査は他院でも可能だが、施行日と所見はカルテに書いておく。
除菌の薬:
1次除菌(クラリス)
ランサップ、ラベキュア、ボノサップ(順にタケプロン、パリエット、タケキャブ)
2次除菌(メトロニダゾール)
ランピオン、ラベファイン、ボノビオン
除菌効果判定:尿素呼気・便中抗原がおすすめ。判定前はPPI2週間休薬すること。
甲状腺疾患の採血間隔
甲状腺機能低下症って意外と多い。
治療はなんにせよチラーヂン補充なので、割と一般内科でフォローされる。
日本臨床検査医学会のガイドライン2005(古いけど、ネットに落ちてたのはここまで。アップデートされてるかも)によると、
症状を呈する初期:1ヶ月に1-2回受診してその都度FT4、TSHその他検査を行う。
数ヶ月して甲状腺ホルモン正常化した後:2-3ヶ月に1回受診して上記検査。
チラーヂン投与が一定になった後:半年-1年に1回上記検査。
そんなにマメな検査はいらないのね。
あんまり自分でフォローすることはないけど、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の場合は
初期:2週に1回FT4、FT3、TSHチェック
3ヶ月後くらいから:1ヶ月に1回
その後:2ヶ月に1回
はじめに
若手と中堅の間くらいの内科医をしている。
専門医をぼちぼち取り始めたくらい。
入院診療は割と自信を持ってできるのだが、外来診療に自信がない。
若手の頃の外来はだいたい救急外来なので、「本当に危ない病気だけ見逃さなければOK」という世界だったのだが、この辺の外来になると
「いわゆる定期外来」になり、「あれ?今までの外来と違うな?今後の患者さんの健康がかかってる?」と、急に自信がなくなるのである。
とはいえ、そんなことも言ってられない。患者さんは来るし、血圧は下げなければならない。
自分の勉強用として「とにかく専門外に関して標準的医療をキャッチアップする」というメモのつもりでブログを書いていきたいと思う。
ガイドライン重視、難しいことは書かない、結論だけ!
目指せ、週1回更新!
ガンバロー。